panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

カーク・ダグラスも宮部

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  『奥様は魔女』の第1回放送など見ていないはずだし、見ていたとしても小学校後半の我輩が覚えているはずもない。でAmazonプライムビデオで第1話だけ見たら、ダーリンの原語の声が吹き替えとあまりに違う。

  それで吹き替えのことを考えていたが、マックィーンの声は宮部昭夫がずっとやっていた。誰でも知っていた声だが、函館の出身である。マックィーンではなく、宮部は。同郷だったのか。ついでに、カーク・ダグラスも宮部だった。つまり、同じ声を別の声だと思っていたわけである。われわれ日本人は。きっと。大半が区別できなかったろう。

  ところで同郷といえば、ジョーン・フォンテーンは日本生まれだ。その意味では我輩と同じだ。ただ生まれた島は違う。本州生まれである。一時、聖心インターナショナルに通っていた。姉のオリヴィア・デ・ハビランドも本州で、東京生まれだ。

  二人を知らない人は、この二人だけがアカデミー主演女優賞をもらった姉妹だということを教えよう。ジョーンは映画断崖の主演女優である。監督はヒッチコックエースコックではない。それは即席めん。オリヴィアは風と共に去りぬに出ていた。聴かれるオリヴィアはニュートンジョンの方である。

  我輩はジョーンのほうが好きである。

  函館出身の声がもっとも映画俳優らしい俳優の声を担当していたことを知ると、この吹き替えという独特の文化(ヨーロッパは、英語映画は通常吹き替え上映をするはずだが)の不思議を改めて思う。普通の日本人の声では白人らしくないということで採用されるのに、当のアメリカの俳優の声は非常に土着っぽい。そこにギャップがある。日本人で吹き替え的にしゃべっているとハブられるだろうし、吹き替えというのはどこにもない世界を現出させている、あり得ないような仕組みなのである。少なくとも日本では。

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  ジョーン

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  オリヴィア。