panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

進むものあり、進まないものあり




  帰省にもっていくはずが、もう最初の2冊は読んでしまい(渡部本はつまらなかった。昔の対談を集めたもの)、しかして本来の仕事で読んでる三冊目が意外と読み切れない。相当な独創性がある本だが(最初の近代国家が秦だとか)、アルジェリア問題の辺からスピードが落ちて、読むのが面倒になった。
  でも最良の国家史論だが。アルジェリア問題とは、後進国が豊かな資源に恵まれるゆえに結果的に発展できない仕組みをいう。いまのアラブもそうだし、南米で石油のとれるところもそうなってしまっている。
  そうなってしまうのは、早熟的に民主主義が実現して、法の支配と安定した国家が後からは追いつかないからである。まず権威主義的な国家があったほうがうまくいく。絶対主義のヨーロッパとか、日本とか。民主主義が先行すると、公職が政治的価値となって、それを餌に投票が左右されるからである。ギリシアがその例。公務員の比率は言語を絶している。労働者の半分に近いのでは?
  ともあれ、そのあたりから読むのが面倒になってきた。どうして?飽きたんだね。どう考えても、気候のせいだと思う。なお、フクヤマ著の「下」はまだ出ていない。ポキは原書とそのCD版(英語で全部をしゃべったやつ)をもってはいる。