panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

再現芸術のなんたるか


  朝ヘンデルのタルメラーノをジャン・クロード・マルゴワール指揮でもっているので車で聴いてきた。というかいま到着したところだが、それにしてもテンポのせいと歌手の未熟(相当有名な歌手が歌っているのだが)、演奏の単調さで我慢ならなくなる。一曲、ヴィヴァ君並みのアリアもあるのに、この不全感はたまらない。
  みてみると、30年以上前の録音で、だから当時、ポキはこの手の音楽に興味がなかったのだとやはり気づく。何か根本的に微温的なのである。バロックオペラを穏当に演奏してもダメだ。その世紀の後半には崩れる古典的ヨーロッパ市民文化の表現の一つの頂点なのだから、躍動感や激しさがなくてはならない。
  というわけで、アホなヘンデルには、ヴィヴァ君とちがって、多数の選択肢がある。ペトロウ指揮か、ミナージ指揮かで選ぶことができる。というかほかにもあるが、いま選ぶとしたらこの二つからだ。きっとペトロウをとるだロウ。もうアマゾンで翌日届くので注文するしかあるまい。ま、値段は一緒だから。この二つは。結果的には。
  というわけで、音質の悪い実況録音のNHKエアチェックでとったMDので、いま職場で聴いているが、全然、同じ音楽とは思えない。こっちはファソリス指揮だしなあ。歌手もファジョーリだし。・・・再現芸術のなんたるかを感じる朝である。