panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

A Dispetto


   ようやく届いて入手したのは6時すぎだった。第三幕の二つ目のアリアを早速聴く。題名は今日の表題にある。腹いせくらいの意味だが、手元のイタリア語辞書にはdiが付属すると、にもかかわらず、の意味になるようで、原文をみると、d'unがつづいているから、きっとdi unの縮まった形だと考えて、にもかかわらず、と理解した。でもやっぱり、腹いせに、くらいかなあ。
  というアリアだが、ここでは4分以上続き、繰返しが装飾豊かに展開されている。テンポもファソリスに近い。ただ、他の部分はそれほど早く演奏していないように思え、ときに、ヘンデルを聴いていたんだということを思い知る。でもマルゴワールの百倍はいいだろう。
  うれしい。この幸せを守ろうという保守的気分がフツフツと沸いてくる。それがはじまったころからみていた「笑点」の歌丸はとうとうなくなり(今日は告別式)、西日本の悲劇が相次ぎ、松本配下の6人の処刑などが重なってあって、だからいい気なものだが、ポキ的小世界は平穏である。
  あらゆる均衡が危ういのか危うくないのか、モビールのように成立しているこの小さな幸せが少しでも長続きするよう、祈ろうとしている自分を発見して、半分あきれるが、半分はこれがあのアナキストなのかと思う。あ、どの半分も否定的感情だが、ま、いいか。
  あ、ポキは素質的にはアナキストだから。アナキストの定義次第だが、ここ数年自覚するようになった