panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

一日中、本を読んでいる集中力がない

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  スコットは有名な人類学者、政治学者。

 紀元前1万年で人類の人口は400万、5千年後に人口は500万にん。長期間にわたって人の数は増えなかった。しかしこの間に農業革命として知られる集住生活、つまり定住が本格的に進行した(しかし狩猟採集時代から、日本の縄文時代が典型だが、定住は行われている。農業=定住ではない。これは古い説。念のため。こうした農業革命説批判がスコットの狙い)。

  通常、農業は人口圧によって生じたとされる。つまり定住により人口が増えて、より多くの食料が必要になったという説明である。しかしむしろ、今見たように、人口はボトルネックにはまっていて、全然増えない状態だったことがわかる。これはおかしい。人口圧はなかったのか。

  これに対して、スコットの説は、まさに今の世界中に理解されるものである。つまり、定住により、今の言葉では都市化により、慢性急性の感染症が繰り返し生じて、壊滅的な打撃を与えたという疫学的説明なのである。

  人が集住し家族だけでなく、他の多くの人々、そして多くの家畜と共存していく結果が、動物原性感染症の発生なのである。いまでもこれほど恐ろしく猛威を振るっているのだから、当時の人類には、絶望的なものだったろうなあ。ああ、こわ。

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  いま上の説明を読み直して、読書だけでなく、書くことの力もコロナウィルス的崩壊をきたしていることを実感した。うーん、まずい。よく書けない。

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  いずれにせよ、こうしてメソポタミアには相当数の捨てられた人口センター=都市が生まれた。当時の人々は隔離政策を知っていたらしい。しまいに、罹患者を都市に放置して、自分たちが逃げ出すということもあった。でもその結果、他の地域に感染は伝染していくことにもなったらしい。つまり感染症こそ多くの放棄された都市(南米にもいっぱいある)の謎を解くものだとスコットは考えている。

  現況をみるに、この説は説得的だ。