panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

時間が空いた

f:id:panacho:20190221103533j:plain

 昼くらいに車検に持ち込む必要があって、午前中は待機しているのだが、昨夜から読みだしたこの本をつづいて読んでいる。パム・ブラウンという人が書いている。いろいろヴィヴァ君伝からの引用があるので原書をみてみたいと思って、この人の名前をアマゾンで入れると、この作曲家シリーズのほとんどはこのブラウンが書いていた。伝記作者なのである。しかもこのシリーズの第一回作品がこれだった。92年の刊行。

 中高学生くらいの読者が対象かもしれないが、結局、こういう物語仕立てが背景事情も含めて、なんだかわかりやすく、頭に入りやすい。この手の啓蒙書、入門書自体を読むことが最近絶えてなかったので、かなり新鮮な気持ちになる。

 1991年に書かれたということはまだオペラ作曲家としてのヴィヴァ君の真価ははっきりわかっていなかった時期のようにも思えるが、今から見てもなかなか公正な評価を下しているように思える。期待していなかっただけに、嬉しい。

 ヴィヴァ君文献はほぼない状態なので、外国語で探すしかないかと思っていたわけで、その前にこういうのがあると助かるが、記述は、ウィキペディアのほうが詳しいかもしれない。しかしウィキを読んでるのとは全然違ったヴィヴァ君への印象を受ける。

 生前に描かれた肖像画は一枚もないということで、この痩せたハクオウ力士みたいな肖像画もほんとかどうかは不明だが、ヘンデルを聴きながら見ていると、歴史的評価というのはいい加減なものだとつくづく思う。というか人の評価とか、最近はやりの言葉でいえば承認欲求だのといったヘーゲルみたいな用語を信用しすぎることはやめたほうがいいと声を小にしていっておきたい。ニーチェがいうように、真実はいつも小声で言われるということだし。

 いずれにしても、演奏ももっと増え、オットーネは誰より誰のほうがいいとかいった話をできる時代が来ることを切望しているが、それは奇跡か、あるいはポキが鬼籍に入ったころということになるのだろう。