panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

ヘンデル、ペパーミント風味

  
  今日も仕事である。評価の仕事の方は昨日ようやく終えたが、最終的なポチッは押していない。パソコン上で行うのだが、もう一度今日中にチェックしておしまいにしたい。
  ただ夕刻、結構重大な会議である。議論百出であろう。日本ボクシング連盟の理事会のような喧騒が予想される。いやでたまらないが、こんなことを毎年繰り返してきたのは人生のある部分を無駄にしたように感じる。セクハラ教員の懲罰に時間を使うのも、ほんとにうんざりである。そっちは人生の一大事でも、こっちにとってはまことにくだらないことで時間を浪費させられるわけで。でもそれも仕事の一部なのでやっているのである。何という果敢にして、アホらしい態度であろうか。
  ともあれ、帰省のための準備もあるし、フィリピン行きの準備(ポキがでなく、他の人びとが準備するよう準備する)もある。ポキらの職業は30年前にくらべたら、貴族と召使くらいの違いがある。くくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくくく、苦しいという音。効果音。
  ところで来る車のなかで、タメルラーノのジョルジュかジョージかゲオルグかわからない、例のペトロウの指揮で聴いてきた。注文した別のが届かないので。第二幕がいいのだが、どうもこの古楽器楽団(パトロス?・オーケストラ)の音色がいま一つ好きになれない。別のペトロウの演奏もおなじような印象をもったことを覚えているので、これが彼の愛好する音色なのだろう。
  マイクを遠くに配置した一点録音なのだろうか。なんだか紗(しゃ)がかかったような、音質は悪くないのだが、何というか、チェコレートを食べたらペパーミントが入っていたような、スーーとするような、昔の音楽評論家なら通俗的に温かみのない音色というのだろうか、そんな感じなのである。
  テンポも悪くないが、どことなく、情熱が感じられない。技術と情熱がないと、バロックオペラはまったく感動を呼ばない。ヘンデルは音楽の母のくせにオーケストレーションが弱いように感じる。だから一層その弱点を補うような熱量が必要なのだ。ではないか。
  この技術と情熱という点で、ペトロウ(ペトローかもしれない、フランス人なら)は醒めた音色だし(ペパーミント風味)、歌手たちも技術があるといっても最上級でないような、そんなまどろっこしい印象を与える。
  ということで、第2幕を聴き終えると、もう職場だったが、名曲ぞろいなのである。ヘンデルにしては。作品は傑作だと思う。だから一層いい演奏で聴きたいのだが。
  写真は東南アジア。台風12号のあとの西日本ではないし、ましてや13号後の横浜ではない。