panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

2枚組4000円の弟グラウン


Polydorus, GraunWV B:I:3, Act I Scene 6: Mich sucht der Götter Rache

  去年出たグラウン兄弟の弟の作品。アメリカからのアマゾンのコメントはこういっている。Delightful music reminiscent of JS Bach cantatas but in Opera form with beautiful music passionate and historically informed playing. Very good soloist and a solid orchestra make this very easy to listen to.

  外国から取り寄せて4000円を超える。無事着くとしての話だが。忘れたころにやってくるのだが、YouTubeで聴くだけで我慢できるかが問題だ。所有するとあまり聴かないことも多い。でもあるということは確認できる。いつかどこからか出てくるので。そういう価値があるだろうか。第11トラックがグラウンらしい哀切を感じさせるのだが(YouTubeに戻して聴くと、トラック別に聴けるはず )。

  グラウンはヴィヴァ君を再発見するまでは何としても買い!の対象だったが、いまとなってはドイツの作曲家はやはり同時代のイタリアの華麗な作曲家たちに劣ることは明らかだ。どうするか、買うか買わないか、迷うところである。

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  ちなみに作品番号がこうある。Graun WV B:I:3。いまではカールのほうのグラウンについてこんな複雑な作品番号が振られる時代になったのである。うれしい。1735年以来、上演されたことのないオペラではあるが、ウィーン古典派重視のドイツ音楽史はとてつもない見落としをいつもしているわけである。それはドイツナショナリズムの具現として音楽史を作ったからである。

  そもそもウィーンはドイツか? ベト君もブラームス君もウィーンに行かなければならなかったということの意味を問い直すべきである。