panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

アジアのハムレットとその悩み


  今日こそ休日とするべく昼はきちんとご飯を炊いて旨いものもつくった。そして今我輩は悩んでいる。自室でグリュミオーのバイオリンソナタを聴くか、それとも佐野清彦の音楽に関する古い本を読むか、あるいは竹内節子の『キリスト教の真実』という新書の最後の部分を読むか、はたまた居間に戻って、最近よくやってる香港映画の悪役警官もの?『コールド・ウォー』を見るか。
  さてこのうち本来の仕事はどれでしょう?ふふふ、ふふふ、ふふふ?どれだっけ?
  正解は竹内節子。そうだった。うん。バロックギター奏者にしてフランス在住の宗教学者。この新書は暗黒の中世時代に古典古代の文化を保存したのはアラブ人(イスラム文明)だったという教科書的通説をこっぴどく否定しさったもの。結局、キリスト教という古代では類例を見ない独自の宗教が近代的な自由や近代世界そのもののつくりだす少なくとも思想的苗床となったということを主張している。つまり中世においてもヨーロッパでは古典古代の文化や知識は絶えることなく、何度も襲撃や危機にあいながらも保存されてきたということである。野蛮な中世ヨーロッパで文化の華は消滅することなくつづいたというものである。
  ということで、この本を読むと、野蛮で他者への寛容や尊敬が欠けているのはむしろイスラム教のほうなのではないかという気すらする。・・・ただ前近代日本についてはやや古い本と云うこともあり、その否定的な見方は間違っていると思う。
  ということで、結局焦慮の末勝利したのは、香港映画なもんで、これから居間へ、、、。グッドバイ。午後1時過ぎ。腹一杯だし、まずはこの暗黒もので腹ごなし。って変なのか。・・・文科系なんもんでね。
  ツインタワーから下を見下ろす写真。