panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

しばらくおやすみ


  ニーチェトリノで痛めつけられている馬をみて昏倒し、精神異常を発症したのは45歳。そしてそのまま転々として確かワイマールで55歳のとき永眠した。
  昔そのくらいの年の人間をみると、皮膚なんかもぼろぼろで、その頃は加齢臭とはいわなかったが老人臭もたっぷりで、ま、死ぬべくして死ぬんだなと諦観していたが(人のことだから)、そんなことを現代の若人も思っているかと思うと、気が気でない我輩である。思いつくまま、昨夜、その辺で亡くなった人々を考えてみた。
  魯迅が上海の日本租界で亡くなったのも55歳のとき。最後までシナ人に絶望してであった。でも租界があったから同胞たちになぶり殺されずにすんだ。親切な日本人たちに囲まれての逝去だった。
  マックス・ウェーバーが肺炎でミュンヘンの下宿で亡くなったときが56歳。ベートーヴェンは57歳の年だが、誕生日前でウェーバーと同じ56歳でこの世を去った。
  モーリス・ラヴェルは62歳で亡くなったが、57歳のときの自動車事故後にはもう往時の彼ではなかった。進行性のアルツハイマーだったのではないか。伝記をみると。
  某東京のある政治学者は誕生日を迎えていると死去は58歳。誕生日前だと57歳。百を落としているわけではない。ただの57歳、58歳である。ウェーバーより長生きしたのである。立派である。
  甘粕正彦は54歳で青酸カリ。甘粕。知ってるね。関東軍の。阿南惟幾陸軍大将は58歳で自殺。この二人は自殺だが、戦争の責任をとってである。
  ヒトラーは誕生日の10日後に亡くなって56歳。1889年生まれである。大日本憲法発布?の年だが、この年、ハイデガーヴィトゲンシュタインも生まれている。ヴィトゲンシュタインは62歳で亡くなったが、長命にみえてくる。ハイデガーは我輩の大学時代である。そしてチャプリンも同年生。和辻哲郎も同じなのだ。その辺を知っておくと、結構おもしろいが、ま、もう仕事にかからないと。
  明日からしばらく休止。写真は遠藤郁子という和服のピアニストのショパンのCD。なぜかもっていたので、聴く。和服姿の和風なクラシックではなく、かなり本格的なショパン。というかそれなりに有名な人なのだが。ただし存命中。