panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

ガヴリーロフ、フランス組曲を聴く、比較する


  彼はロシア人で大体同世代である。同世代の大ピアニストは実に少ない。でも最近は彼も何しているのだろうか。やはり百歳にもなると、指は衰えるのだろう。なお、ポキはロシア人ではない。
  彼は二度フランス組曲を録音している。普通は93年盤で聴くと思う。ポキもずっとそうだった。でも93年盤の二枚目のCDがどこかいってしまったので、買い直そうとして、古い盤が安く売ってることに気づく。だから評をみると二つは同じようなものだと書いてあるが、84年盤を買ってみた。
  で感想。分水嶺は1982年にある。バッハのピアノ曲の場合。つまりこの年グールドが亡くなった。だから84年盤は明らかにガヴちゃんっぽくない。ソフトなタッチが基調である。いいかえると、84年盤はきっとグールドへのオマージュではないかと思う。
  対して93年盤はきりりと硬質な、ロシアン・ピアニズムの実践である。似たところは両者にはあるが、音質がまずちがう。84年盤はぼんやりしている。見事なテンポで爽快に弾くところは弾いているが。
  やはり買い直しが必要だが、でも84年という年にほぼ同じ年のガヴ君とポキはうちひしがれていたのだなあと思う。グールドが亡くなっていたのであるから。・・・あ、84年はロンドンにいて我が世の春だった。グールドのことは忘れていた。でもあのころからアンドラーシュ・シフは評価できなかった。いまだにバッハについては、できない。
  ガヴ君で風邪が消えることをねがいたい。