panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

モーラムもたまに聴こう


ทาแป้งรอ HD

 テレビの世界ふしぎ発見でモーラム音楽が取り上げられていた。タイの演歌というより、厳密にはラーオ族の民謡。だからタイのイサーン地方の音楽だが、ラオスよりの土着音楽が原型ではないかと思う。イサーンは東北地方のことで、一方で北部でラオスに接し、他方では東部でカンボジアに接している。つまりラーオ族(ラオス)とクメール族(カンボジア)とが実はタイの一部となって組み込まれ、もっとも貧しい地域を構成しているのである。しかし人口はタイの人口の三分の一。だから立憲君主国家タイというのは微妙な国民国家なのである。バンコクからは見下げられた人々なのだが、もともと民族的一体性がないわけで(ただしラーオ族はタイ族の一分子)

 でもYouTubeでみる限り、流行歌に近くなっている。こういうのがあっちの長距離バスでずっと大音量でかかっていて、ほんとにその甘ったるい歌唱にカッとなることもある、そんな音楽だが、知らない人には知っておくのもいいだろう。田舎者の歌だからちょっとのんびりしているが、体制批判もしているようである。ルークトゥンというのがモーラムより歌謡曲っぽいが、これはズバリ田舎者の歌と称されている。東北の人の歌ということである。タイでは。日本と同じだともいえるだろう。