panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

ベト君12番ピアノソナタ


  朝、たまたま取り出したのがリヒテルのベト君ので、聴いてきた。久し振りで古典派を聴くのだが、やはり旋律が独特で、いかにもクラシックだが、こういう乾いた抒情がウィーンの特徴なのではないか。
  その後、ブラームスをへて、国民楽派がヨーロッパ各地で生じたときの音楽は変にロマンチックで旋律的だった。ウィーンのセンチメンタリズムとは一線を画した抒情はもう二度と生れなかった。シェーンベルクなんかになると、世紀末の濃厚な抒情はあるが、それはもうモツ君やベト君のとはまったく違う。
  ということで12番は主題と変奏8つからなる愛らしいが爆発的なソナタである。でもこれがソナタなのだろうか。

  片山先生の音楽史論議。やはりドイツやウィーンを中心に考えているから、おかしいことになる。主流はイタリアにあったのだから、そっちで貴族と民衆の関係を扱ったほうがずっとよかったと思う。これがでも、専門的音楽史家の視野の限界だと勝手に思う。ズバリ、思うのである。・・・世界史はこれではわからんよ。