panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

アルジッポ、届く


  9月27日に注文して昨日届いた。予定日は10日だったので、3日遅れ。いつものところ(アメリカ)からだが、前2回は2日遅れだったので、1日余計にかかった。それにしても新品だし、うれしくて涙がでる。これが一応、現在のプランでは、最後のヴィヴァ・オペラだ。
  一枚目はそれほどでもないが、最初の序曲からして、ヘンデルの退屈さは微塵もない。2枚目の第2のアリアなど2枚目の楽曲がどれも素晴らしい。ヘンデルが大家でヴィヴァ君が忘れられていたというのが歴史である。あてにならないね。歴史。
  NHK歌川国芳の特集なんかみると、ずっと我々が忘却していたのに、国芳が明治以降、我々の一貫した文化的遺産かのような扱いである。それとヴィヴァ君は似ている。
  ただ東欧系の楽団が演奏していて、歌手の声に安定性がない。こういうオペラで必要なスイング感が出ない。バロックオペラの歌唱は著しく難しいのである。かつてのカストラート的技量を必要とするからである。器楽的にも、別の楽団、最近ますます好調のイタリアのどこかの楽団によって再録音ししてほしい。でも、聴けるほぼ唯一のアルジッポである。嬉しい。
  やはりヘンデルには冷たく対応するかと思いなおす今日である。簡単なレチタチーボですらヴィヴァルディは躍動している。ただ後に続く古典派への歴史的位置としてはヘンデルが「進んでいる」ようにみえる。
  かくして結論としては、古典派はむしろヨーロッパ音楽の堕落の第一歩だったのではないか。第一歩。アルジッポではない。