panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

馬と世界史


  いやあ時間がかかる。寝ながら読んでるせいというより、悪文だ。悪文というより前へ進めて読ませる力動のない文章というか。ローマ史の東大名誉教授本村先生の『馬の世界史』。ちなみにキンドルで読んでるわけではない。
  遊牧民の登場からの歴史を改めて概観するために読んでるわけだが、馬という視点から書かれている。馬なしには広大な帝国を建設することは困難だったということがわかる。家畜化できる動物は人間には限られており(たとえばシマウマは家畜化できなかった)、そのなかでは馬の家畜化は決定的だったようにみえる。
  南米には大型の哺乳類がいなかった(食べ尽くした)、インドでは馬が育たなかった。インドには全体を支配する帝国はほとんど成立しなかったが、同じく馬がいなかった西アジアでは早くから馬の育成につとめた(アラブ馬)。西アジアは代表的な帝国地帯である。ここに違いがあるということは一端の真実をついているだろう。
  それにしてもこの競馬狂の先生の文章が悪すぎる。放送大学でみるとほんとにギャンブラーというか不良みたいだし(サングラスはとったほうがいいのでは?)、ラテン語の能力が高いということなのだろうか。こういう文章を書いていて誰も注意しないというのは、、、。
  ただ突厥だのキタイだのトングースだの匈奴だのの生態が順序よく書かれるので、頭の整理にはなるとは云っておこう。