panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

豊かな国への途上において仰ぐようにしてみた世界旅行番組を朝、思う


  一部のこれをみる若い連中の教育もあるので、たまにルビみたいのをふったり、テーマを啓蒙的なものにしているのであるが、兼高かおるはTBSで「兼高かおる世界の旅」という番組を30年もやっていた人である。
  当時というか60年代から70年代にかけて辺境北海道でも日曜朝9時半くらい(?)に放映されていた。我輩は「じゃじゃ馬億万長者」の後だったかこれを見るのが恒例だった。ただ、その後の職業選択にも深く関係したが、朝はできるだけ寝ていたいために、ちょくちょく見逃した。
  今思うとこういう番組が当時、非行に走るのは簡単だが飛行機にのるのは難しかった地方の人々にも、やればできるかもしれないという遠い願望を与えたのであろう。世界一周などという言葉も、また彼女のやっていることそのものも、普通の人にはまったく非現実的ながら、半分くらいは「いつか」可能なのかもという近代化途上社会の原動力となったはずである。
  いまテレビをみると縦横無尽に世界からの映像が出てくるし、実際そこに住んでいる辺境日本人も多い。昨日もそういうテレビの特番があった。
  これはもう普通のことで意識にはのぼりがたいが、豊かな日本という国のなせる技である。アジアで追い上げられるとはいえ、こういう番組が40年も50年も前から営々とつくられてきたということの目に見えない(知的心理的情感的)インフラ効果は圧倒的であったはずであろう。
  ちなみにこの本は文庫がある。我輩は誤って単行本を買ったから高くついた。ま、オマージュだと思えば、、、。