panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

「いい加減なことをいっている?」----いや鋭い!東南アジア旅行者の神髄では?


  以下は下川裕治氏のブログからそのまま抜き出した。http://odyssey.namjai.cc/
  7月1日(2013年)「いい加減なことをいっている?」。申し訳ないともいえるが、彼の宣伝でもある。こういう感覚が日本的まじめさやいい人ぶりを相対化することになる。窮屈で死にそうな日本でいま必要なのはこうした感覚を磨くことである。それには、さしあたり東南アジアに行くしかない。・・・我輩はもういいという感じもある。フロスト満開だし、、、、。
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   タイ人の日本観光のビザ免除が7月1日から実施されることになった。それを受けてということでもないのだが、日本でインバウンドつまり海外からの観光客を受け入れている人たちの集まりで少し話をした。
 皆、さまざまな手法で、外国人観光客を受け入れていた。現場の声は、観光庁などの話より、はるかに説得力がある。
 インバウンドの世界では、中国人観光客にターゲットを絞った事業が続いていた。しかしここで、タイ人やマレーシア人もそのなかにとり込んでいきたいという意向がある。タイ人とはどんな人たちなのか。インバウンドの世界では話題が集まっていた。
 その話を聞いて、日本人の真面目さというか律儀さに、改めて感心してしまった。
 日本式サービスは世界でもトップクラスだと思う。インバウンドも、高いレベルを求めようとする。日本のよさでもあり、欠点でもある気がしてしかたなかった。
 たとえばタイ。観光収入は国家を支えている。しかし、タイ人のなかで、どれだけの人が外国人へのサービスを意識しているかと考えると、首を傾げてしまう。
 タイ人は普通に振る舞っているだけではないか……。そんな気がしてしまう。
 旅行で訪ねた国を好きになるか、ならないか。それは人それぞれだ。バンコクのツーリストエリアには小悪党がうじゃうじゃいる。観光客は当然、騙されるのだが、そこでタイが嫌いになるかどうか。それは微妙な問題に思える。ぼったくられて嫌いになる人もいるが、そんなことを気にも止めず、好きになる人もいる。リピーターになるか、ならないかは、別の判断基準があるように思うのだ。
 僕もそうだった。はじめてタイにきたときは、簡単に彼らの毒牙にかかった。しかしそれから1年後には、またやってきていた。
 日本のインバウンド業者は、手厚いサービスをめざす。誰しも気持ちのいいサービスを受けて嫌な気はしないが、日本が好きになるかは別物だ。
 マレーシア人は食事の問題があるという。イスラム教徒が多いからだ。以前、イスラム系と中国系のマレーシア人がひとつのグループでやってきたことがあった。夕食どき、イスラム教徒だけインド料理店に連れていったところ、参加者から不満が出たという。
 僕はときどき、イスラム教徒と食事をするが、あまり気にしないことにしている。彼らのほうがわきまえていて、それなりの料理を注文している。彼らのほうが慣れている。たしかにイスラム教徒にも、その厳格さに差はあるが。
 しかし世界の人々は異教徒と一緒に暮らしているわけで、そのあたりは日常に刷り込まれている。
 つまりはそういうことだと思うのだ。
「放っておけばいいんじゃないでしょうか。彼らは勝手にうまくやっていきますよ。問題なのは、そういう気遣いから、受け入れを拒んでしまうことでは」
 また、いい加減なことをいっていると、日本人には受け止められてしまうのだろうか。
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  日本っていうのは、もう、気遣い地獄なのである。鬱陶しいと我輩がよく云っているのはそういうことね。気遣われなくても人は普通は死なないし、すぎた気遣いで、哀れ、死ぬこともあるんじゃなかろうか。ありがとう、下川先生。