panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

ヘンデルは二流である


  この若干狂気を感じさせるオルリンスキーのが届いた。ポーランド録音。二人ともポーランド人だから(というか届いて知った)。
  交互にでもないが歌っているが最初の曲はオルリンスキーで、ヘンデルタメルラーノ。職場で何十回も聴いて、家でも聴いてる曲が流れてきたときは驚いた。今日だって、メンデルスゾーンの無言歌以外はタメルラーノのMDを聴いていたわけで。
  しかしバッハなどには絶対思ったことのない、何というか、ヘンデルの伴奏の貧弱さには、直感的にも段々にも、腹が立つ。ファソリスみたいな新幹線並みのスピードで演奏しないことには、ヘンデルの技量の低さが無性に腹にこたえる。くたばれって云ってみたいが、ヘンデルは1759年にロンドンで亡くなっている。バッハが亡くなって9年。無能のまま、かつ栄耀栄華につつまれたままこの作曲家はこの世を去った。うーん。人生ってそんなもんだな。・・・うん。
  もしヘンデルがもっとオーケストレーションに秀でていたら、どの曲も圧倒的な魅力なのだがなあ。でもありがたいことに、現在、死後250年して、指揮のファソリスの狂気が加わって、はじめてヘンデルは聴けるものになった。バッハにとってのリヒターというか。だからきっとヘンデルはライブがいいんではないかと思う。
  いうまでもないが、この演奏はポーランドの人々のようである。仕方ないが、スラブ系のヘンデルなのである。