panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

世界史序説をよみながら


  恒例のこの時期の写真撮影があって、職場に来た。終わって(すぐ終わる)、来週の準備にはいるが、その間、ポキが聴いているのは、ずっと同じ。ヘンデルタメルラーノの実況録音である。いまや希少価値のMDに、FMから録音したものだが、港区の音波事情は悪く、ところどころ雑音だらけの音楽である。指揮はファソリス。勢いが違う。というわけでもっとも華やかな時代のヨーロッパ精神横溢のオペラである。
  でも読んでいるのはアジア史にグローバルヒストリーをそのまま適用するのが西洋中心主義だという議論。でもグローバルヒストリーは脱西洋中心史観を標榜して出てきた学問領域なのだが。でも岡本隆司はそうではないという。まさに東洋史のような異質な分野に、西洋史学そのものであるグローバルヒストリーを無前提に適用して、19世紀までの大陸の東西がたいした違いのない世界だったということ自体が西洋史観だというのである。うーん。
  二度目の読書だと細部までよくわかるので、これはこれで否定できない議論ではないかと思ってしまう。どうも論敵は西洋史学の大家川北稔なのだろうか。
  昔は世界史序説といえば宮崎市定だった。アジア史序説という本に出てくる。でもこの思いきった題名の岡本隆司が宮崎に代わることになるのか。でも新書のくせに第2章以降になると、というかアジアの部分はきわめてむずかしい。やはりポキも西洋史で勉強してきた人間だからなあ。はあ、、、。
  写真は映画クレイジーリッチ。原題にはさらにエイジアンがくっつく。オールドマネーをもったシンガポールの大金持ち(要するに中国人たち)が白人社会に一矢むくいる映画である。


  オールドマネー(成り金でないということ)出でないから、人は劣化するのだろうか。学歴的成り金でも芸能的成り金でもない日本のオールドマネタリストは存在するのだろうか。最近ますますズボンもワイシャツもぴちぴちになっているポキの悩みも深刻である。・・・ついでに。

  ここに厳粛にかつ静謐に、柴田理恵の最終的勝利を確認しなければならないのではないか。