panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

「経済人」のような「普遍的人間」はいない


  「どこでも同じものである、大文字の『人間』という形で人間のことを論ずることは決してありません。しかしそれは理論ではありません。旅行をするだけで、すぐに分かることです」E・トッド『自由貿易という幻想』藤原書店、78頁。
  しかし、ポキにとってこの引用で貴重で重要なのは、旅行するだけで分かる、といっているところである。
  姿形が違うということから始まって、各地方の人間の違いは明白である。世界が中国人と日本人と朝鮮人だけであれば、人種という観念は生れなかったろうが、そこにロシア人が入れば明らかに、何と呼ぼうと(人種、エトニー、種族その他)、人が違うということに気づくわけであるから、違いの言語化がはじまるわけである。