panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

イギリス組曲第3番


  長い正月休みも今日でおしまい。太った。ビール太りでなく、食事太りである。どっち転んでも太るのである。外国製のセーターを着るとサイズは正しいのに胸囲というか胴回りというか、なぜか苦しい。・・・もしかして白人たちは、我輩より、ほっそりしているのだろうか。まさかなあ、、、、、、、。
  例のバッハマスターワークス(よく確認するとアルヒーフレーベルの代表的なものを選んである撰集)にイギリス組曲第3番を二人のピアニストが弾いている。
  ポルトガルのピレシュ女史の音がよい。というかこれは既にもっているのであるが、改めて感じる。あ、感じたのはパルティータの1番のほうで、見事だった。他方このイギリス組曲第3番については普通にガンガン的なピアニスティックな演奏である。いつもというか誰でも3番はこんな調子である。もう少しガンガンいわせない演奏のほうがいいのにと思ったら、普段聴かないポゴレリチの一枚があって、これも3番を弾いている。
  というかまっこと贅沢で、CD時代の前に録音したのだろうか、2番と3番しか入っていないという気の遠くなるような一枚である。有名な一枚だといえるのだが、なんといってもまったくガンガン系だと思っているピアニストなので長年敬遠してきたのである。
  でもせっかくあるんだからと思ってその撰集のなかにあった3番を聴くと、おおおおと、驚くなかれ非常にチェンバロ的に弾いている。グランドスタイルでなく、仰々しくなく弾いている。これは結構いいと思う。
  ただ何か味わいが弱い。グールドだともっと組曲の各曲の終わりにまで気をつかって弾く。その結果、甘さのようなものが出てくる。神経が行き届いているといえばもすこし格好いい云い方かもしれないが、要するにスウィートなのである。グレン・グールドはもっと。
  ま、そんな次第ではあるが、ポゴレリチで初めて気に入った一枚を発見した有意義な、かつ太った正月であった。以上。