panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

キリコかデルヴォーか------連休の街


  健在である。ただ健忘症は発症しているようである。大事なことはよく忘れる。1日のブログもそのためすっぽかしになってしまった。
  連休も土曜日からのこの4日間(今日は3日目)はなかなか休みらしい感じだ。世間から人と車が消えて、昔の映画をみているようである。たとえば一昨日くらいやってた『国際秘密警察 指令第8号』とか。1963年の東京は笑えるくらい田舎である。都心に車がいない。いても外車である。シボレーを追ったりしているのであるからして。
  世界で最初に007をまねした映画というのだが。ふふふ。サイゴンベトナム、現ホーチミン市)も出てくるが、完全なセットで、怪傑ハリマオのレベルであるのがまことに結構結構。
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  本の出来としてはちょっといいたいことのある本。でも嬉し恥ずかし、サンソン・フランソワについて書かれている。彼の弾いた一曲一曲について感想を述べている。EMIの全36枚の全集のどこにその曲があるかも記されている。編年体なのでフランソワの短い一生とその演奏の関連をたどることができる。ありがたいのだが、都内私立中高の先生のようで、書く才能はない。そのため文章が大仰(おおぎょう)で、もったいつけなのが書き慣れないせいなのか性格なのかよく判断できず、読んでいてたまに著しく不愉快になる。しかし、何かを一途に愛好してきたということは十分すぎるくらいわかる。8才のときに来日したフランソワを聴いたのだから。しかも自らの意志でチケットをねだったというのだから、どういうセンスをした小学二年生だったのだろうか。
  ただいまは第6枚目に収められたモノラル即興曲4曲を聴く。ショパン。著者によると、これを越える演奏は今後もないだろうという。フランソワは1957年のある一日でこの4曲を弾ききった(録音した)。
  こういうファンが一部にいたので長年敬遠してきたともいえるフランソワだが、一度真面目に聴けば彼が圧倒的な天才、あるいは唯一無二のピアニストだったことは明白であるといまでは思う。