panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

暑い東京に戻る


  今週は忙しいので昨夜戻った。うーん。東京は暑い。薄着で帰ったのに暑苦しくてまいった。急激に温度が低下したので東京の今年の秋は寒いかとついうっかり思い込んでいたが、いったん離れてみると、そうではないことがわかった。というわけで、今日からまた単調な日々である。
  ところでいない間に海外からの前古典派オペラ関係のCDが結構届いていた。今日はそれらを聴いて過ごすことにする。オルリンスキーもその一枚で、ソロとしては最初のCDである。ハッセの、前にYouTubeで紹介したものが入っている。迫力はYouTubeのほうがある感じがする(テンポが少しのろい)。映像付きでみてこの狂気を感じさせるカウンターテナーの本質がわかるのだが。
  一緒に、フィリップ・ジャルスキーのも届いたが、おそはく現在のカウンターテナー界の第一人者はジャル君だと思うが、落ち着いた感じがポキには今一つものたりない。いい歌手だとは思うが。その点ではフランコ・ファジョーリのほうが激しく、比較にならないくらい気に入っている。
  ともあれ、7曲は世界初録音のオルリンスキー。ニコラ・ファーゴという作曲家はまったく知らなかった。ポキが知らないということは99.9%の日本人は知らないということだが、このCDでは4曲もフィーチャーされている。サーロやフェーオは知っているが、それぞれ1曲。スキアッシも知らない。第22トラックまでは、まだ遠い。楽しみである。
  聴いてる最中なのだが、徐々に開陳されていくさらなる前古典派、18世紀前半の世界を知ること、これがポキの私服の時なんだなあ。きっと。大して至福感はないのだがなあ。あ、至福ね。私服で聴いているが。
  18世紀前半の最大の特徴はやはり産業革命以前だということだと思う。大航海時代、地理上の発見がもう始まって300年近くたち最初のグローバル化はヨーロッパをかなり豊かにしたが、世界の東西の格差はそれほどでもなく、誕生日がポキと一日違いで、モツ君が生まれる一年前に亡くなった、したがって完全に18世紀前半の思想家モンテスキューなんかは、当初は中国の専制を理想化していたわけだし。そういうヨーロッパがいぜん世界の支配を完璧に握る前、しかしアメリカの発見やアジアからの収奪で豊かになっていった時代の仇花(あだばな)――前古典派の劇場音楽。