panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

魅惑の国------海外版NHKで見る日本

  インドシナ全部のガイドブックをもってタイへ来たはずが、ヴェトナムだけない。なくしたのかも。調べられないが、生きたガイドがいるから何とかなるだろう。市内とメコンツアーで十分だ。よければ、また行ける。このチケット代だと、函館片道分より実は安い。でももっと安くていいように思い、気持ちはクレーマー日本人だ。日本人は世界的クレーマーなのである。ご存知でしょうか。その尻馬にのって、コールセンターがあれば抗議したいくらい。だって、ビルマは片道500バーツ(1500円)のときがあった。これにタックス700バーツ加算というので、むなしく笑った(でもビルマはヴィザがいる。簡単にでるのか)。ともあれ、渡来前はヴェトナム1カ月の長旅もありかと思ったが、もう考えるだけでボーとしてくる。全身しびれる。さていま見送りから戻るが(朝8時15分)、既に出発していたようだ。8時10分前に行ったのだが。渡すものがあった。またの機会。日本は涼しいでしょう。ボンボンヤージュ。
  NHKはworld(チャンネル1---うちの場合)と普通の番組のダイジェスト(チャンネル14)があって、ワールドは英語が基本。海外版だから外国人によく映える日本とその番組が多い。タイのチャンネルはたくさんあるが、総じて内容がひどい、のではないかと思える。言葉は度を越してうるさく間がなく、出てくる芸能人にはまったく好感がもてない。市井で話されているタイ語は驚くほど小声で静かで上品なのに、テレビの言葉やタレントは北朝鮮国営放送並みだ。ズバリ、ガサツだ。下品で耐えられない。不肖、下品愛好家なんであるが。実践家でもあるのだが。タイでがっかりした一つである。結局、日本の放送を見ることになるが、これが、変にいい。イギリス人ピーター・バラカン氏などがフィーチャーされているわけで、とすると想像がつかれる方も多いだろうが、日本の美が大きく全面に出てくる。英語の『日本の四季』なる番組はとくにそうだ。そこでは、どこの国のお話?と思うほど、日本は魅惑の国になる。アルカディア日本!?
  NHKはとくにそうだが、日本の間延びしたテレビや映画の映像にはいつもイライラする。そこで何か抒情性をかもし出そうとしているらしいのだが、ただとっている側の中味のなさが露呈されるだけの結果になっている。テレビ局員はアホなんだろうか。って反語的に書いておこう。そんな無駄な長回しのショットを延々と続けるのは、日本のテレビ・映画だけだ。BBCなんかはもっと細かくショットを割って、構築的で退屈のしない映像を作り上げる。ってイギリスなんか誉めてどうする。でもそうなんだから仕方ない。でもBBCは一般に偏見の多い番組をつくる。大いに問題のあるテレビ局だ。
  ところがワールドの映像は適当にきびきびしていて、飽きない。そして、唸ってしまうほどに、日本は美しい。誰が撮っているのだろうか。NHKではちょっとはぐれた感じの有能な人々なのか。それとも、メコン特集でやったように、日本人以外のカメラマンなのだろうか(名前からすると中国文明の人)。
  食、自然、田舎、善意、温泉、、、。日本の個々の項目は実にいいところがある。個々の項目は。でもそれが全体として、アレなんだから、まいってしまう。アレって?。そこがいわく言い難いところだが、誰でも知ってる日本最大の陥穽だ。ああだからこうなのか。妙に奥歯にものの挟まったいい方で、ズバリ、恐縮です。・・・でも梨本先生の声ももう聞けない日本。自分の本の注で梨本先生をとりあげたことのある我輩としては寂しい。
  ともあれ、あの個々の項目のオタク的に完璧な美しさが、実は、個々の日本人を全体として苦しめているのでは、というのが、私の、日本なるもの、日本的美なるものへの根本的不信である。日本が過ごしやすく美しいのは分かる。でもそのことだけを云い募るのは、あまりに一面的だ。その陰で、どれほど我々が努力し無理をしその表面の美しさの維持に腐心しているかを同時に理解しなければならないし、自覚しなければならない。だから、その精神的負担、心理的苦痛、感情的労働を考えるとき、やはりインドシナを選ぶという選択肢も当然ありうることなのである。日本の美とはそういうアンビヴァレントな事柄なのだ。つまり美しさは曲者(くせもの)なのである。、、、でもお、インドシナってえ、ちょび暑ぐね?。サウナの方がましでね?
  あ、我輩は努力してないから。そこのところ誤解しないように。なのでインドシナは暑すぎるって云えるわけだ。鼻息も荒いので、いまどきのインドシナも。ふふふ。、、、あ、まだタイ。昼食したあと、少しおしゃべりして、はじめてのエアポートリンク線に乗ります。夕食はベトちゃんビールだ。銘柄が分からない。
  お釈迦様はこんなにのんびり横になっていたである。ワット・ポーにて。・・・でも押尾学容疑者似、、、、、、。