panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

どこまでつづくこの秩序地獄


Vivaldi - La fida ninfa deel I

  東京の民度が低くて、非常事態が長引くことを懸念するに、我輩の危惧は、安倍先生の遠く及ぶものではない。わが国広しといえども、我輩は、おそらくは天皇についで、現今の状況を憂慮している者なのである。とはいえ、この日常の消えた非常時においても日本内部のなかから、ひしひしと押し寄せてくる、何とも知れないこの秩序の圧迫感はどういことか。

  せっかくありえないような、人生最大のこの秩序崩壊期にも、やはり強固な秩序感覚がわれわれを支配していて、普通のアフリカの生活のほうが、もっと、秩序はあるのかないのかわからないという状態のように思える。

  こういう徳川時代以来の秩序重視の窮屈な生活を我々はしてきたので、この非常時にも、拘束されているばかりでなく、その一方では、日常が崩壊しているわけだから、もっと刹那的な快楽があってもいいように思うが、そうではない。秩序が崩れているのはその通りなのだが、非常時的秩序が襲ってくるという感じ。

  昨日に引き続いて忠実なるニンファ(ヴィヴァ君)のライブ版。最初の部分では12分40秒以降にインヴェルニッツィのアリアが絶品であるが、アリア自体だけでなく、その前奏のところのしぶい和音の流れがこの世のものとも思えぬ快楽である。