panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

新年度のはじまりに映画サバイバルファミリーをみる

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  終日、雨の上に、エイプリルフールにもかかわらずそのユーモアの実行が圧倒的な不発に終わる予感のもと、このロックダウンの危機に震える首都圏から、明日は脱出する運命のポキ。運命といっても昨日予約した運命にすぎないが。飛行機とレンタカー。思わず、全然興味のなかったこの映画をアマゾンプライムでみた。

  理由は不明な世界同時停電のために東京を捨て鹿児島まで行く家族のロードムービー。あたかもロックダウンのような東京というか日本を、東から西にむけて自転車で向かうのである。今日見ないでいつみるのか?というくらいの切迫感だった。

  いつものテンポの悪さであるが、途中、その悲惨さに思わず大笑いする箇所が何か所かある。この東京家族の腹立たしさという設定。一人一人が全然好きになれないような日々を送る人々の家族なのだが、それが結局は農本主義的な旅をつづけ、鹿児島で2年以上過ぎると電気がかよってまた従来の東京生活に戻るが、もうかつての共感を呼ばない家族ではない家族になっているという話である。

  日本映画に期待する方がどうかしているが、まさかの廃墟東京がいまや先進国世界標準となっているわけで(ロンドン、ニューヨーク、ミラノ、ベルリン、パリ)、追い詰められたような気持ちで見ることになった。でも明日函館に帰省するのでなければこんな印象は抱かなかったかもしれない。

  ということで雨に封じられて何もできない4月1日がもう少しで暗くなる。