panachoの日記

辺境アジアからバロックオペラまで

1729年ヴェニスのカーニヴァル

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 帰宅すると、ほほほほ、外国から4組CDが届いていた。早速この一枚を聴く。ただし二枚組。

 最初のジャコメッリの長大なアリアが見事である。その一曲だけじっくり聞いて、あとは夕食をとりながらサンマ御殿だの、先週金曜の一茂や良純、高島ちさ子の録画をみたりした。テレビをみたわけである。ま、しかし、テレビをみているのだが、そこはすでに別の世界というか、何というか余裕のような、高揚のようなものがあり、体の芯からひとりでにわきあがる喜びをかみしめつつ、実際にはリゾットとアサリのイタリアンをかみしめる。これもうまいし、今日はどうも完全な一日なのではないか。うううううううう、れしい。

 なお、このアルバムについてはすでに数日前にあげたYouTubeでみることができる(4月2日だった)。聴くことができる、か。しかしポキはCDで保有することを一貫して望む古いタイプ(オールド・スクール)な人間なのである。

 いまはグザビエ・サバタの歌うペスチェッティ作曲のアリアが自室で流れているが、はじめて聞く名前である。しかし1732年のこのアリアがまた哀愁にあふれている。こんなにも無名の作曲家の作品が圧倒的だったりするというこの、云いようのないうれしさに逆に酔ってしまいそうである。

 結局ここ数年は、18世紀前半のイタリアに救われているのである。バッハにも飽き、というかイタリアバロックのオペラに没頭して以来、どうやってもバッハに帰還できない。大宇宙をさまようオランダ人船員となった気持ちだが、ま、甘受しよう。

 殺風景な21世紀日本を遠ざける屏風のようなイタリア18世紀前半という時代に感謝する日々なのだなあ。